夏の夜は無理せず適度に冷房をかけて寝るのが体力的にも精神的にもおすすめです。でも、家族がそれぞれの部屋で冷房かけるのも電気代が勿体ないですね。
それなら寝室を大きなフラットベッドにして、ザコ寝してみよう!ということで、既存ベッドと同じ高さのセミダブルベッドを新たにDIYしました。将来は子供部屋で使えるようシンプルかつ、しっかりした設計にしました。
もちろんオリジナル設計で、自由に想いを込めて作成!完成したベッドはやっぱり大満足、記事最後からは3D-CADデータがダウンロードできます。
最近の夏は夜間も酷暑…
熱帯夜と言えば夜間の気温が25度以上を指しますが、近年は「10日連続で熱帯夜!」とかのニュースが報道され、日本気象協会は夜間30度を下回らない場合「超熱帯夜」と呼ぶとしています。
それほど、熱帯夜が珍しい夜でなくなってきた訳で、昔なら一日くらいなら寝苦しくても我慢していたものですが、こうも連続すると体力・精神力の消耗戦となってしまいます。
やはり適度に冷房をかけて寝るのが良いのに決まってます。かといって、それぞれが自分の部屋で冷房をかけると電気代が気になります。
我が家では毎年、一つの部屋に集まって寝ていますが、床にマットレスを直接置いたり、布団を重ねたりして仮設状態で寝ていました。今年は、どうせならちゃんとベッドで寝ようってことで、今あるベッドを生かして、それとドッキングすれば広大なフラットベットになるよう、セミダブルのベッドをDIYしました。
そのセミダブルのベッドには、雲のやすらぎっていうマットレス(実際には極厚の敷布団タイプ)を置いて寝ます。ちなみに背中の痛みが治まって、朝まで快適なマットレスです。
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現状把握で部屋のモデリング
新しいベッドを設計する前に、部屋の大きさや既存のベッド、使う予定のマットレスの情報を採寸して3D-CADでモデル化しました。部屋の大きさが小さく見えますが、既存のベッドがワイドダブルサイズで、雲のやすらぎがセミダブルなので、合わせたベッドの横幅は2.7mを超えてきます。
一見して既存のベッドのマットレスが厚くて、雲のやすらぎを乗せるベッドフレームは結構高く作る必要があるのが解ります。
3D-CADは、ひと目見てイメージがつかめるので、未然に思い違いや先入観を修正して設計に入ることが出来るのも大きなメリットです。
このモデリングに使った3次元CADはこちら↓ 使いやすくて、習得が簡単!
要件整理
ベッドフレーム祖設計に入る前に、要件整理をしておきます。この工程で、おおよその設計が決まるくらい大切なのでCADを使う・使わないにかかわらず、自分設計を始めるなら、「要件整理」で自分の想いをすべて見える化しましょう。
すのこにして通気性を高める(雲のやすらぎはサイドより裏面への通気性が高い)
→より涼しく過ごせる
将来子供部屋に移設するため足は分解できる事
→将来、足の高さを変える可能性がある
どの方向から見てもしっかりした印象にする
→ベッドフレームで強度を持たせて足は支えるだけの構造か?
ヘッドボードは取り外せること
→ベッドフレームの高さを変えても影響しない作りにする
ヘッドボードは裏からの本棚として多機能に
→壁に沿わす場合は機能しないか…
ヘッドボード上面に棚とコンセント
→置いたものが転がり落ちない工夫も必要
Point! : 想いを描きだすと完成が見えてくる!
ほぼこの要件整理で完成形が見える感じですが、これを形にしていくのも楽しい作業です。
構想設計
前記の要件整理でほぼイメージが固まっているので、今回は、構想設計はしませんでした。より複雑な設計、例えばシステムテレビボード、机付きのシステムロフトベッドとかでは何通りかの構想設計(詳細まで設計しない荒設計図)案を作って、より洗練させていくことが完成度の高いDIYになります。
Point!: 捨選択でブラッシュアップ!
詳細設計
今回は、ほぼ構想設計無しで詳細設計に入りました。テーマの「セミダブルベッド」の詳細設計手順は以下になります。
1.「雲のやすらぎ」をすのこで支えるため、1×4材を均等に配置
→横幅はとりあえずセミダブル幅の1200mmにしておく
2.すのこが横から見えるのがかっこ悪いので、2×6材で周りを囲む
→これをベッドフレームとして構造体とする
→すのこの幅が自ずと決まる(1200mm-ツーバイ材厚み2枚分)
→すのこの縦方向の配置(材料枚数)が決まる
3.すのこを支える梁を入れる
→中央は2×4材をベッドフレーム間に入れて支える
→幅方向はフレームに角材を配置し支える
4.ベッドフレーム2×6材をしっかりと支える脚を設計
→ねじで支えるより、面で受けて支える
5.脚の脱着を考慮したベッドフレームへの締結
6.ヘッドボードの設計
→頭上で髪の毛が引っかかることのない1枚板が必須
7.ヘッドボードの棚とその支えを設計
→1枚の定寸材から材料取りできるように寸法調整
8.完成
という流れで設計が進み、設計完了しました。下の動画は、設計風景ではなく完成した設計データを設計の流れに沿って紹介したものです。
材料の準備
ここまでの設計でも紹介していますが、材料のメインはツーバイ材です。ヘッドボードはアカマツの集成材が安かったので厚み18mmのものを1枚購入しました。
これまでのDIYで失敗したことで経験になった事柄として、
完成後の塗装が、かなり面倒…↓↓
というのが一つあります。
詳しく紹介すると、
という感じの印象からですが、大型家具になればなるほど度合いが高まります。
これまでの流れを図示すると以下になりますが、
今回は下記の流れに変えてみました。
この流れでは、切断した材料単位で塗装まで済ませることになります。
先に今回の方法でDIYを進めた結果の印象を書くと、メリット・デメリットそれぞれ以下になりました。
土日の日曜大工の範疇で、近所さんに迷惑が掛からないであろう範囲で作業すれば、往々にしてメリットが大きかったです。
塗装後の追加穴などの加工は、木肌と塗装色が大きく違う場合に大変目立ちますが、ナチュラル系の塗料やオイルフィニッシュなら、それほど目立ちません。
追加工が目立つ塗装を使うなら、組み立て後にその部分だけ塗装すればよいでしょう。全体塗装よりかなり手間が軽減されるはずです。
今回作成のセミダブルベッドは、まだ在庫のあるワトコオイルのホワイトでオイルフィニッシュ処理しましたので、材料の色見はそれほど変わらないため追加穴には何もしませんでした。ワトコオイルは手触りサラサラで手脂も付かなくなるうえ、失敗しにくいのでお勧めです。
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組立ての様子
準備できた材料を部屋に持ち込んで、組み立てを進めました。
組立て1 まずはフレームから、四隅の2×6材で強度を持たせました。
組立て2 すのこの位置を確認して両端の支えの桟を取り付け。
フレームの枠から若干低い位置にすのこが固定できるように、支える桟の位置を調整します。ツーバイ材はコーナーにR5程度の丸みが持たせてあるので、その内側になるようにすのこを固定するのが狙いです。
両サイドに同じように桟を固定しました。中央のすのこ板の支え梁は、まだ取り付けていません。
垂直にドリルを開けたいならコレ↓ ドリルに水準器が付くとメリット大!
組立て3 すのこ板を並べて締結し、すのこの中央に梁を固定します。
すのこを中央で支える2×4の梁は外枠ともねじで締結しましたが、必要であれば下記のようなスチール製の金具で補強するつもりです。
→ひと夏過ごしましたが特に問題なさそうなので、ネジ固定のままです。
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下穴加工の違いでねじ止め仕上がりが変わりました。
下の写真は、2mmほどのドリルで下穴を開けて、フレキ付きのコーススレッドで締結した結果です。→ササクレが若干あり、ちょっと不格好です。
下の写真は、下穴無しで皿モミをした穴にフレキ付きのコーススレッドで締結した結果です。→仕上がり満足です。
それぞれの意図は、木材の端面に近い両端は、コーススレッドのねじ込みで割れる可能性が高いので、「下穴」を開けて面倒なので「皿モミ」はせず、中央部は割れの心配が低いので「皿モミ」だけ施しました。
見た目がきれいなのは、中央の皿モミにコーススレッドですね。
この結果から、一番きれいに加工できるのは、材料の端面に近い場所は「皿モミ→下穴」、割れの心配のない箇所は「皿モミ」だと予測できます。
一番良いのは、全ての箇所で「皿モミ→下穴」ですが、少しでも工程を減らそうとした結果です。
楽をすると、それなりのものしかできないのも良く解りました。
Point! : 失敗してもOK、次に生かせば問題なし!
コーススレッドの使い方に関する記事がありますので、ご覧いただけると嬉しいです。
組立て4 四隅の脚の組み立てをします。
脚は、1か所あたり4つの材料で構成しました。まず、ベッドフレームを面で支える板2枚と、ベッドフレームと締結するための板2枚をそれぞれ締結します。
組立て5 フレームへの脚の取付け
フレームへの締結は、M8のボルトとオニメナットの組み合わせを1脚2か所で固定しています。ボルトと木材との間には、大きくて厚みのある木材組み用のワッシャを挟んでいます。これで、ねじ頭の木材への食い込みがありません。
また、床面へのキズ防止に硬質フェルトを脚の下面に貼り付けています。
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ベッド部分完成 フレームと脚が完成したのでベッドとして使える状態になりました。
ベッドフレームを脚が幅広い面で支えているので、仮に脚を留めるボルトが緩んでも倒れたりぐらついたりすることがありません。
ここまでの組み立て作業時間は、週末2日でした。オイルフィニッシュ仕上げ済みの材料にしたことで、穴あけ以外の粉塵などが発生せず、部屋で組み立てても快適でした。
ヘッドボードの組み立ては未定
ベッド部分が完成したので、ヘッドボードに取るかかる予定でしたが、購入しておいた集成板を別のDIYに回してしまったので、完成していません。
別のDIYがこちら↓ 急だったので材料を回してしまいました…
とりあえず完成した写真
マットレスの厚みの違いで、ベッドフレームではこれほどの段差があるのが解ります。左が今回高さ合わせをして完成したベッドフレームで、右側が既存のベッドフレームです。既存のベッドフレームに使っている「すのこ」は、前記のようにヘッドボードに使う予定だった集成板から作っています。
将来作成したベッドフレームを子供部屋に移設するときに、マットレスを新調すると思いますが、その時は脚を短く切断して良い高さに調整する予定です。
写真に写っている半透明のヘッドボード(?)は、マニアワセで作成したものですが、これで困っていないので、しばらくは設計済みのヘッドボードの作成は無いかと思っています。
3Dデータはこちら
実際にはヘッドボードは完成していませんが、今回設計した3Dデータを掲載しておきます。ご興味ある方は、ダウンロードして開いてみてください。必要なCADの紹介は文末になります。
こんなセミダブルベッドフレームの3D-CADデータが入っています。
(ウイルスチェック済みですが、ダウンロードに慎重な方はご遠慮ください。)
このCADデータを開くには、下記の記事を参考にしてください。
記事後記
作成したセミダブルベッドと簡易ヘッドボードで夏を過ごしました。完全フラットな大きなベッドになったおかげで、横にごろごろし放題です。端から端まで転がると目が回ります。
当初の目的の「一つの部屋で全員が集まって、適度な冷房で朝までぐっすり就寝」が出来ていますし、少し寝床に入る時間が早まったように思います。→2次的な生活リズム改善!
雲のやすらぎ極厚敷布団ですが、背面への通気性がかなり高いので、畳の部屋で使うと畳が少なからず、湿気たりしました。
また、その分通気が遮られていたのか、背中が熱い印象でしたが、今回のすのこベッドになってから、背中の熱さの印象が変わりました。かなり涼しくなったと思います。→快適性かなりアップ!
将来は子供部屋で足の長さを変えれば使えるので、無駄にもならないハズ!
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