注意 自宅敷地内(メーター下流家屋側)であっても、水道工事は法令違反になると事後に知りました。ただいま、地元の水道局に「どの程度までの工事なら自分で出来るのか」問い合わせをしています。この記事は、ひとまず公開したままにしますが、回答をいただき次第その内容を踏まえて、指定業者による是正工事の方法や違法作業の注意書きを付加して記事を完成させます。ひとまず、下記の記事内容は違法作業を含むものとしてご覧ください。
市道局への問い合わせ内容については、コメントをご覧ください。
機能門柱をこの記事でオリジナルDIYしましたが、素材として使った樹脂製の枕木が少し残ったので、これを利用して立水栓を作成しました。
敷地の片隅に蓋つきの散水栓がありましたが、都度フタを開けたり、ホースをつなげたままではフタが閉まらなかったり、クモの巣だらけになっていたりと、あまり気持ちのいい使い勝手ではありませんでした。作業前の写真が無かったので、ケースを掘り出した後の写真がこちら…よくある埋め込み散水栓です。
これを立水栓に作り替えて、使い勝手を良くして清潔感もアップさせてみました。完成した写真がこちら。蛇口自体は交換せず、そのまま使っています。蛇口はいつでも交換できるので後回しにしました。
計画
もともとの配管を確認するために水道管を露出させて、現状確認をします。
外径が22mmなので呼び径がVP16のサイズでした。この方向に配管が来ているので、途中で切断して、まっすぐ延長、壁際でエルボで立ち上げるのが良さそうです。水栓を立ち上げても、しゃがんで手を洗う位の高さにしたいと考えました。それは、通常の立水栓の高さだと、手を洗うとしずくが地面ではねて靴が濡れるため、水受けが必要になりますが、むしろ低くしてしまえば水しぶきも少なく、最小規模でDIYできそうだからです。
計画: 水受けを必要としない、低い位置の立水栓にする
構想
今回の立水栓DIYは、実はセットで機能門柱のDIYも行いました。その際、門柱の材料に樹脂製の人工枕木を使ったのですが、その材料が良い長さ余ったので、それを立水栓の材料に使います。この人工枕木は、中空構造のため水道管を通すのが楽で立水栓に最適なはずです。
ただし、完全固定の埋め込みにしてしまうと「冬季に凍結して水道管が破裂」したときに、手直しすることが出来ません。これまで、地面の高さより低い散水栓で、凍ったことはありませんが、立水栓として地上に水道管を立ち上げてしまうと、外気にさらされることで凍結のリスクが上がります。そのため、樹脂製枕木はカバー的な位置づけとして、外せるように設計します。
外すためには、取付部と再現性のための土台部が必要になるので、その設計を進めます。
構想: 樹脂枕木を使った、メンテナンス性の高い立水栓を作る
設計
簡単な設計ですが、3D-CADを使って設計を進めます。いつも使っていて、使いやすい3次元CADはこちらです。3D-CADがなくては作ることが出来なかったと思われる、ロフトベッドのDIY記事もぜひご覧ください。
まず、元の散水栓まわりの現状を採寸して、3Dデータ化します。散水栓を掘り起こすと家屋のベタ基礎も見えてきました。
そこからおおよその位置に水道管と蛇口を配置します。この時点では適当にパイプをつなげて配置してみます(上の右図)。
コンクリートの基礎があるとはいえ、平らではなく、このままでは基準面にはならないので、ここに土台を作ってその上に樹脂枕木を立てるように設計してみます。コンクリートの基礎の完成をイメージして、モルタルを流し込むための型枠を設計したのがこちら。
コンクリート基礎作り
設計したコンクリート基礎の型枠を作ります。材料は、在庫で保管してあった5.5mm厚のMDFボードを使い、組みつけはホットガンで行います。MDFボードは、木の粉に接着剤を混ぜて圧縮・板状にした素材で、切断が簡単で強度もあります。
鉄筋は、「入っていないよりかは強いだろう」という程度のつもりで入れてみます。ホットガンの接着はそれほど強固ではないので、コンクリートがある程度固まれば容易に外せます(特に離型剤などは塗っていません)。また、水道管が通る部分はプラダンを丸めた筒を入れてあります。
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モルタルの流し込み
まず既存の基礎をなるべく綺麗にして、十分濡らしておきます。その上に適度な硬さのモルタルを平らに厚み1センチ程度になるように乗せました。そこに「真ん中に水道管が通るイメージで位置を調整して」型枠を置きます。十分位置の確認をしたのち、半分くらいまでの深さまでモルタルを流し込み、鉄筋を沈ませます。最後に必要な高さまでモルタルを流し込みます。竹串のようなものでサクサク突き刺すと空気が抜けてくれます。
この作成した基礎は、立水栓のお立ち台になるので、現物の樹脂製枕木をすぐに食い込ませるように置きます。食い込ませる量は5mm程度です。あまり深いと抜けなくなるので注意、この時水準器でちゃんと水平になっていることを確認します。この状態で、1日ほど放置します。
1日放置して、まだポロポロとモルタルが固まっていない状態のときに、外周の型枠を外し、カドの尖りを落とし滑らかにR(アール)になるようにします。また、水道管が通る中央に水がたまらないように、排水を考慮したくぼみを造形しました。コンクリート打設後、1日程度であればポロポロと成型することが可能です。しかし、全体に強い衝撃を与えたり変形させないように、無理な力を加えないように作業しました。
この状態で時々少し水をかけて放置します。次の週末まで放置しましょう。
基礎が完成すれば、樹脂製の枕木を取り付ける方法を再検討します。
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家屋基礎への固定
樹脂枕木を立水栓の基礎にはめ込むように、コンクリート基礎を形作りましたが、このままではグラグラするので家屋の基礎部分に固定するように考えます。基礎に固定するには、埋め込みボルトとか接着とかがありますが、「穴を開けるのはちょっと…」とか「確実に固定するには…」とかいろいろ考えてしまいます。ちなみにコンクリートドリルや打撃ドリルは持っていませんし、インパクトドリルさえもありません。
いろいろ考えた結果、普通のドリルを捨てる覚悟で2本犠牲にしてコンクリート基礎に穴を開けることにしました。ナイロンプラグを挿入してのビス固定です。普通のドリルというのは、金属用のコーティングドリルですので、石相手(コンクリート)には4本開けるのにも苦労しました。
ナイロンプラグは上の左の写真のオレンジ色に見える4本で、下穴径5mm深さ25mmでした。まず、4mmほどのドリルで穴を開け、5mmのドリルを通すイメージで開けましたが、最後には両ドリルともに全く切れなくなりました。先端だけでなく外周(側面)もボロボロになったので再研磨しても使えそうにありません。もし、コンクリート用の超硬ドリル買ったら1本で開けられたかもしれませんが、ホームセンターで3000円以上したので…。と思ってAmazon見たら1000円未満で売っていました。
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ナイロンプラグを入れて取付板を固定。取付板(これもあまりものの樹脂板、元はデッキ材)にはM5のオニメナットを挿入してあり、樹脂製の枕木に穴を開けて一度固定してみました。ぐらつきなく立水栓基礎への食い込みもしているので、ズレることもありません。
配管
いよいよ元の蛇口の水道管を切断して、新しい立水栓を通す準備が出来ました。ストレートの接手、エルボ、エルボソケットと1メートルの水道管。そして接着剤を購入。あと、凍結防止のための断熱パイプも1メートル分購入しました。
まず、接着剤を塗らずにパイプと部材を組み合わせて、「何ミリ差し込まれるか確認」します。それぞれの接手とパイプの重なる量は、おおよそ同一で22mm程度。つまり、水道パイプは両端に22mmずつ接着代(シロ)がいることになります。これをもとに、切断長さを現地で実測しながら進めます。あと、樹脂製枕木の蛇口が出てくる場所に穴を開けておきます。
断水
ここまで準備が出来れば断水させます。注意点は家屋の水道の元栓を締めて、いきなり水道管を切断しないことです。
準備
エコキュートの吸水配管止水栓を閉じる
家屋の水道元栓を締める
自分の家で一番低い位置にある蛇口を開く(屋外散水栓とか、今回ならホースをつないで水がたまらないように…)
自分の家で一番高い位置にある蛇口を開く(2階のトイレとか)
一番低い位置の蛇口から水が出なくなるのを待つ
まず、家中の水道管には水がたっぷり溜まっています。いきなり水道管を切断してしまうと、もう止めるすべはなく、流れ出終わるのを待つしかありません。この準備作業は、あらかじめ水道管内の水を抜くための作業になります。また、エコキュートの吸水止水弁を閉じるのは、全ての作業後、給水した時にごみやにごり水がタンク内に入ることを防ぐためです。これは、近くの道路で水道工事が行われるときにもアナウンスされていることなので、気になる方は工事断水時にもエコキュートの給水止水弁は閉じるようにしましょう。詳しくはエコキュートの取説を見ましょう。
家屋の水抜きが終わったので、いよいよ水道管を切断しますが、今回は蛇口をそのまま使うので取り外しました。改めて、不足がないか準備物を集めて作業環境を整えます。
配管
準備が整ったので水道配管の組み立てを行います。接着なので一度塗布して差し込んでしまうと、後戻りできません。失敗すればもう一度ホームセンターへ行って材料を買ってこないといけませんので、時間をかけて予行練習をしながら進めることをお勧めします。
接着する前には仮組みして、組立てが可能か?位置は適正か?を十分確認してから接着します。接着は、必ず水道管指定の接着剤を使いましょう。上の右端の写真のように、無事、予定位置に蛇口を接続するプラグが見えたので一安心です。
断熱処理を忘れずに行う(屋外は必須)
作業時には必要ありませんでしたが、冬の凍結対策として断熱パイプを巻いておきます。
とりあえず、元から使っていた蛇口を取り付けます。シールテープを締めこむときに巻きとられる方向に十分巻き、ソケットに締めこみます。もう一周回らないな…というところで止め(緩める方向には回さない、緩めたいなら外してシールテープを巻きなおす)て固定完了です。
給水
20~30分すれば給水します。今回作業した散水栓の位置は水道元栓から一番近い場所なので、ここで配管中のごみを全て排出しないと、家の中の水道管にゴミが入ってしまう事になります。まず、今回作業した蛇口を開いておき、水道元栓を少しずつ開くようにします。今回は、散水ホースをつなげて作業場が水浸しにならないようにしました。
水道元栓を開き、新しくした蛇口も全開にしてゴミやにごり水を排出します。その後、蛇口は閉じて、配管を埋めずにしばらく放置します。これは万一水漏れがあるのを早期に発見するためで、知らぬ間にプールの水流しっぱなし事件みたいなことが防げます。
この作業のあと、すぐに家屋にある全ての蛇口を少しずつ開けて通水させます。はじめ高圧の空気と共に水が噴き出すので、ほんの少し蛇口を開いて空気を抜く作業になります。できれば、一番高い位置(2階のトイレなど)の蛇口があれば、その蛇口を少し開けてちょろちょろ水が流れる状態にしたまま、他の全ての蛇口を開閉させます。洗濯機の給水は洗濯しないと出ないので、洗濯機を使う前に「はじめに1回変な音するよ」と伝えておけばトラブルは防げます。
開閉できる蛇口全て確認できれば、全ての蛇口を閉じて水道元栓のメーターを確認します。赤い星のようなマークが回っていないことを確認します。水が使われていると回る仕組みなので、水漏れの確認にもなります。作業場の埋め戻しとの2重チェックになるので一度は確認しましょう。
最後に、エコキュートの吸水配管止水栓を開けて作業終了です。上の写真の右側は、数日後半分埋め戻した状態ですが、最下層は砂にして、その上にガラ土をかぶせました。最後には砕石を地面の高さまでカバーすることになります。
完成の最後に
元の埋め込み散水栓は、地面の中に半分埋まっているのでクモやナメクジ・ダンゴムシが住み着いていたりしますが、今回の立水栓化で清潔な状態で、水栓の開け閉め、ホースの脱着が出来るようになりました。また、どうしても中途半端な位置だった埋め込み散水栓が無くなったので、歩くのにも邪魔にならずすっきりした印象に生まれ変わりました。
今回、中空の樹脂製枕木を使いましたが、中空の部分に水道管が仕込めたので、無垢材をくり抜いて使うような面倒で大変な作業をせずに、見た目が自然な感じの出来に仕上げられたのは良かったです。予定通りとも言えます。
実はまだ中空枕木は残ったので、子供のペン立てに生まれ変わりました。↓おまけ
この記事へのコメント
コメント一覧 (2件)
記事を書いた管理人です。この記事内容の作業の違法性について認識しましたので、記事冒頭に注意書きを追加しました。
この作業による違法性を是正したいので、地元の水道局へ下記のような段階的な作業の違法性の確認をさせていただいています。問い合わせメールには、もっと詳しく絵を入れて書いていますが、要約として掲載しておきます。
なお、記事の作業を正当化するのではなく、あくまで違法な作業をどういう手法で是正すればよいか判断を仰ぐ内容で問い合わせをしています。回答をいただき次第、追記します。
↑軽度
1. 既存の散水栓に市販のホースをつなぐ →これは当然〇(マル)だと思いますが第一段階として…
→蛇口にソケットをねじ止めするなど
2.既存の散水栓に市販のホース(手元ストップ付き)をつないで、散水栓は出しっぱなし
→ただし市販のホースの使用法の但し書きで元栓を開栓のままで問題がないもの
3.既存の散水栓の吐出部分に、ステンレスフレキパイプ(ジャバラのもの)をねじ込み、反対側を市販立水栓に接続
→既存散水栓は出しっぱなし
4.既存の散水栓の蛇口を外し、ステンレスフレキパイプをねじ込み、市販立水栓に接続
5.既存の散水栓の蛇口を外し、塩ビ管をねじ込み塩ビ管を接着接続して立水栓に作り替える
6.既存の散水栓の蛇口ソケットを切断し、塩ビ管を接着接続して立水栓に作り替える
↓重度
水道局の担当の方から、回答のメールをいただきました。いただいた回答の前に、問い合わせ時に添付した資料を開示しておきます。
この内容で問い合わせたところ下記のご回答をいただきました。
水道局の担当者様からいただいた回答
「給水装置の直圧、直結部分の工事施工につきましては、指定給水装置工事事業者による施工が義務付けられていますので、指定給水装置事業者により施工していただきますようお願いいたします。ビニールホースの接続など簡易的なものは除きます。」
というものでした。
的確で解り易い回答をいただきました。先の問い合わせメールの内容に照らし合わせると、1以外は違法であることが解ります。止水時に「直圧」が維持される個所の工事は指定事業者による施工が必須で、例外は無いと理解しました。
ここからは推測ですが、良く蛇口は交換しても良いようなネット記載が見られますが、黙認されているだけだと思います。「直圧」が掛かる箇所は万一の破裂や水漏れで、その現場だけでなく周囲民家への影響が甚大なため「直圧」という線引きは明確かつ的確なものと言えます。
このことを踏まえて、違法施工してしまった当該箇所の是正を検討しています。指定業者はホームページで公開されている中から近所の業者さんを選ぶものの、どの状態にしてもらうか悩んでいます。元通りの「埋め込み散水栓」にしてもらうのが一番安上がりで、立水栓を依頼するかどうか…