長年乗り続けた愛車が、なんだか古臭いとか、くたびれたと感じることは無いでしょうか?
ボディの艶や樹脂部品の白化など、外観の印象を左右する要素の一つに、
ヘッドライトの黄ばみ・くすみ
があります。
この記事では、愛車を若返らすのを目的に、根本から原因を除去して、そのリフレッシュした状態を維持するためにコーティング保護するまでの紹介をします。手はかかりますが、劇的に改善して輝きを取り戻すので、愛車の魅力をグレードアップしましょう。
今回の作業の、施工前と後の比較がこちらです。
ヘッドライトの黄ばみ・くすみの原因
ヘッドライトのクリア部分は、ポリカーボネート樹脂で成型されていて、遅かれ早かれ劣化します。青空保管の場合は、特に紫外線の影響が大きくて、ポリカーボネート樹脂が劣化・変色した結果、黄ばみとして目に見えるようになります。
また、コーティング系ワックスを使っている方に多いのが、ヘッドライトの白っぽいくすみです。ワックスの使用法・注意事項に「ボディ以外の樹脂製品には使わないこと」といった文言がある商品がありますが、無意識のうちにワックス施工時にヘッドライトに付着させてしまったり、ワックスを磨き上げるときに薄くヘッドライトに付着させてしまったりします。
直後は見た目は変わらないものの、だんだんとヘッドライトの端のボディに近い所が白く変色してしまうのはこの原因が考えられます。気づいたときには、シャンプーで洗ってもくすみが落ちない状態になってしまいます。
黄ばみ・くすみの状態(施工前)
今回は、2台のヘッドライトをリペアします。施工前の写真がこちらです。
黄ばんだ状態の写真がこちら、ゴールデンアイと言えば聞こえがいいですが、透明感もなく黄金に輝いている感じはありません。明らかな「黄ばみ」でビンテージ感を演出しているようです。
白くくすんでいる状態がこちら、残ワックスの影響もありますが、冬季に道路に撒かれる凍結防止剤を含んだ水がかかって乾いたり、その汚れをふき取られたり、といった影響も考えられます。
もう一台は、全体的に白っぽいモヤが掛かった状態で、内部のバルブもはっきり見えない状態です。ぱっと見ではライトの光軸と関連がありそうなくすみなど、「ケース内部のくすみ」に見えることもありますが、外部の汚れであることがほとんどです。
作業の流れと準備するもの一覧
作業の流れはこのようになります。
- ボディの保護
- 水研ぎ
- 洗浄
- ボディのマスキング
- クリア塗装
- 後片付け、洗車
必要なものや用意するものはこちらです。
- 電気絶縁用ビニールテープ
- ドラフティングテープ(もしくは紙の養生テープ)
- 400番耐水紙ヤスリ 1枚程度
- 800番耐水紙ヤスリ 1枚程度
- 1000番耐水紙ヤスリ 2枚ほど
- 1200~1500番耐水紙ヤスリ 2枚ほど
- 紙ヤスリを保持するホルダー
- テープ付きマスキングシート
- 2液性ウレタンクリアスプレー塗料
- 洗車道具・新聞紙など
詳しくは、記事中で紹介します。
作業の流れは6項目ありますが、1から5の作業を1日で行う必要があります。塗装のためには雨が降っていなくて、できる限り風が無いこと、また高温過ぎないこと(風のない曇り空が最適)が条件になるので、天気予報を見ながら日程を決めなくてはなりません。あまり日差しが強くて暑い日は、研磨・塗装条件が悪いうえに体力的にも危険なのでお勧めしません。
カーポートがあるなら、時間経過によって日差しが入らない場所に車を移動させてから作業しましょう。
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作業① ボディの保護
作業に掛かります。まず、ヘッドライトの研磨を始める前にヘッドライト周りのボディにキズが付かないように、保護することから始めます。
目的:ヘッドライトの黄ばんだ表層を削り落とす際に、誤ってボディにキズを付けることを防ぐため
紙ヤスリを使って劣化した表層を除去する際には、手作業での作業なので、手元がぶれることがあります。もともと紙ヤスリは傷をつけて削り落とす工具ですので、ボディの塗装もすぐに削ってしまいかねません。ここでは念入りにヘッドライト周りの保護をすることをお勧めします。
- 電気絶縁用ビニールテープでボディの端面を折り返すように、ぐるりと1周貼る
- その上から、ドラフティングテープ(もしくは紙の養生テープ)を2~3重で重ね貼りする
写真では解りませんが、ビニールテープとドラフティングテープを重ねて貼っています。この理由は、ドラフティングテープはそれほど強いものではなく、紙ヤスリによって削られやすい素材です。
もしドラフティングテープがボロボロになってきているなら、手元が狂ってボディまで削ろうとしていることが解ります。それに対し、電気絶縁用ビニールテープは少々の擦れには耐えて、ボディの保護をすることが出来ます。
ビニールテープだけ貼れば良いとも言えますが、手元の狂いを感じ取るためにあえて弱い素材を貼り付けて、慎重に作業を進めるために、この方法がおススメです。この目的なのでビニールテープはボディ色ではない、かつ紙テープの色でもないテープ色が良いでしょう。その色が見えたら要注意ってことです。
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作業② 水研ぎ
劣化したヘッドライトの表面を削る作業に入ります。
- 車のボンネットから前を十分に濡らして、研磨粉が流れるようにします。
- 400番の耐水紙ヤスリをホルダーに巻き、ちょろちょろと水を含ませながら研磨してください。軽い黄ばみや、不要なコーティングを落とすなら、800番から始めても良いでしょう。
思った以上に、削って出た水が黄色くなるはずです。劣化層がなくなると削った水は白っぽく見えます。
→まず400番で、黄色く変色した劣化層を削り落とすことに専念してください。
Point! 少量の水を流しながら磨く!削った水が黄色から白になるのがサイン! - 800番の耐水紙ヤスリで、表面を整えます。
400番で磨いた表面は真っ白で、心配になるくらいですが大丈夫です。
→400番で付けた磨き痕を800番で浅くする感じです。 - 次々と番手を細かくし、さらに表面を整えます。
表面が乾くと白く見えますが、水がかかっている時はクリア感が出てくるはずです。
→クリア塗装を施すと、この水でぬれた状態に仕上がります。完成状態を水をかけてイメージしながら磨きましょう。
Point! 水でぬれた状態が仕上がり状態のプレビュー! ←これ重要です!!!
- 水をかけてヘッドライトの中が、クリアに見えるかヘッドライト全体を観察します。
くすんで見えたり、黄色く見える場所があれば、重点的に研磨を繰り返します。
→おおよそ一つのライトを磨くのに1時間程度必要だと思います。
あまり、力を入れすぎずに長丁場を覚悟して作業しましょう。(感覚的にはエコモードで作業する感じです。)
研磨作業後の状態
左が研磨前で右が研磨後ですが、右の写真が暗いものの、中のレンズがクリアに見えるようになりました。
左が研磨前で右が研磨後ですが、2台目の作業で「正直手抜きです」、スモールランプ周辺は黄ばみを少し落としただけでそれほど仕上げ磨きをしませんでした。研磨後の艶のなさは心配になりますが、濡れた状態だとそこそこ透明感があるので問題ないはず。結果は後述します。
次のページでは、ボディのマスキングからコーティング塗装に続きます。
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