梅雨時や冬の雪遊びなど、レインコートやウインドブレーカーが濡れてしまったらどこに干しますか?お風呂場とかありですね。
でも、そこまで移動させるときにポタポタしずくが落ちるのもイヤですね。
この記事は、玄関に備え付けのクローゼットにワンタッチで取り付けられる、簡易ハンガースタンドを設計から作成・完成までの紹介です。
ちょっとした思い付きや困りごとを解決することで、より快適な暮らしが実現するアイディアDIYです。部屋を見渡して、こんなのあればな~って思うようなことがあれば、DIYのチャンスでは!?
気になってたこと
玄関にはクローゼットがあるのですが、天候が悪い時に帰ってきたとき、この奥まった場所に「濡れた上着」をかけるのは抵抗があるので、玄関でしずくをバサバサと落とした後、ダイニングテーブルの椅子に掛けて乾かすのが常でした。
水滴が落ち着くまでくらい玄関でしばらく乾かしたいな、とは思っていたものの何もせず、時には扉の取っ手にハンガー掛けて一時しのぎをしていました。でも、湿った面が扉に接するので、この方法も心の中での小さなストレスです。
イメージ図の作成
雪の季節になって、遊んだ後のスキーウエアを掛けたいという要望で、何か作れないかなっていうのが今回のテーマです。
要件としては
0.玄関で簡易的に乾かしたい(前提)
1.あまり邪魔にならない
2.大げさでなく、むしろ簡易的でいい
という感じで考えました。
この頭で、近くのホームセンターをぶらぶらと散策。始めは安いハンガーラックでもないかな~程度で足を運んだんですが、なかなかイメージ通りの商品が見つけられませんでした。
そこで作るとなったときに登場したのが、イレクターです。イレクターは、簡易棚や簡易作業台などを作る時に、以前使ったことがあったのですが、改めて売り場に行ってみると「安さに圧倒」されました。
600mmにあらかじめ切断されているのが250円ほど、ジョイントなども100円程度で購入可能で、別コーナーで売っている簡単なタオル掛けが2000円くらいするのに比べて、イレクターを使えば強度も10倍以上ありそうなものが作れそうです。さっそく、長さのメモとジョイントの形状をメモして、イメージ図作りに入ります。
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まず、イメージ図をいつものように、3D-CADで作ってみました。あらかじめ設置してあるクローゼットのハンガー掛けを使って、どうにかしてひっかけられないか検討した結果がこちらです。
灰色が壁や棚、備え付けのハンガーパイプで、薄茶色の部品がイレクターパイプのつもりです。
600mmを2本と、450mm、300mmをそれぞれ1本、それにジョイントを4か所つければ出来そうです。
設計に使った3D-CADはこちら。頭の中のイメージを整理するのにも重宝します。
部品集め(購入)
後日、購入した部品がこちら。パイプ4本とジョイント4個、それに加えてキャップ2個と滑り止め2個、接着剤を購入しました。パイプ径は、軽量の部屋使いであればΦ28mmで十分強度もあり、ホームセンターで豊富に在庫されているサイズです。
イレクターパイプの商品詳細は、矢崎化工株式会社のhpをご覧ください。
組立て(接着)
組み立てと言っても、特に道具は必要ありません。プラスチックハンマーがあれば良ですが、なくても仮組してそのまま接着すれば完成します。
難しい所は特にありませんが、必ず仮組して組立て順番をシミュレートしてから接着することと、接着剤が流れ落ちても、影響がないような作業台の保護が必要です。これは、接着剤に粘度は無いのでさーっと流れて、知らない間に床や作業台を溶かしたり、汚したりすることの予防です。
接着箇所が水平になるように配置して、ジョイントの隙間に溢れない程度に流し込むと、不用意に接着剤が流れ出すことはありません。少し部品を揺らしてやると、簡単に奥まで接着剤が流れ込みます。
ここまで10分くらいの作業で、1時間ほど放置して固着したら完成です。
今回、あらかじめカットされた定寸のパイプを購入しましたが、パイプの切断も非常に簡単です。長めの材料を購入して、自分でカットすればより低コストで作成が可能です。
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下記の記事は、実際に長いパイプからハンドカッターで切断して作った、屋外で使う棚の作成記事です。
ストッパーの位置合わせ
大丈夫だとは思いましたが、位置合わせが確実にできることも兼ねて、滑り止めのためのストッパーを適した位置にスライドさせて、ねじ止めしました。
このストッパーがひっかけるときの目印になったのが良くて、あまり考えずに片手で設置することが出来るようになりました。
完成の様子
完成して、使ってみたのがこちらです。クローゼットから飛び出させることで乾かすための通気性を確保しながら、できる限り場所を取らないように、折り畳み扉よりも飛び出さないようにしたつもりです。もちろん扉は締まりませんが、服を掛けても玄関ホールの圧迫感はそれほどありませんでした。
使わないときは、外して立てかけておきます。イレクターパイプは心材が鉄パイプですが薄肉なので非常に軽量で、付け外しが苦になりません。
てこの原理で、掛けた洋服の重さ以上の荷重がハンガーパイプにかかることを理解したうえで使うことが必要ですが、それほど多く掛ける長さが無いのと一時的な場所なので問題ないと思います。
まとめ
イレクターパイプは、強度もあり軽量なので工夫次第でいろいろと使えます。接着だけで、ねじれ剛性も必要十分です。
また、工期が非常に短くて完成するのが魅力です。木材だと、材料購入後、切断・研磨・穴あけ・組み立て・塗装など多くの工程が必要で、作業が早くても必要な時間がありますが、切断・仮組み・接着・乾燥で作業が完了するイレクターパイプは長くても半日作業で収まります。
イレクターパイプを屋外で使用する場合は、パイプの心材の鉄に雨が入ると錆が発生するため注意が必要ですが、接着時にジョイント部に雨が入る隙間を作らずに密閉すると耐久性もあり屋外の設置も可能です。
今回作成した簡易ハンガースタンドですが、服選びの際にクローゼットからピックアップしたのを掛けておくのにも使えるかもな~と思っています。
今回全部で1300円ほどで作成できたので、弱っちい安価なタオルハンガーよりも良いものが出来たし、今後も「イレクターパイプ」は使える部材だと感じました。
今回は、イレクターを使った「DIY事例紹介」みたいになりましたが、使える用途は広いので頭の中でイレクターパイプで作れば!?をイメージしながら部屋の中を見渡してみたら、良いDIYテーマが見つかるのではないでしょうか?
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