【人工枕木で門柱作成】メンテナンスフリーで高見えする機能門柱をオリジナル設計&DIY!

当ページには、記事内容に則した商品にリンクするアフィリエイト広告が含まれています。
完成した機能門柱の写真

これまで仮設でポストとインターホンを設置していましたが、自分好みの機能門柱を設計、自力で完成までこぎつけました。メンテナンスフリーの樹脂木(人工木)を使ったのですが、メリットが多かったので詳細ご覧ください。

まずは結果から… こんな感じの機能門柱が完成しました。

人工木を使って機能門柱をDIY 完成の概要写真
樹脂木(人工木)を使ってDIYした機能門柱
この記事のもくじ

計画

計画の始まりは数年前で、建て売りの住宅を家が建つ前に購入した時に始まりました。建て売りの、もともとの設計では、私の住んでいる地方に多い、玄関ドア横に屋内へ通じるポスト(室内で郵便物を受け取れる)で、表札・インターホンも玄関に配置するものでした。どうしてもそれが嫌(理由は後記)で、建て売りではあるもののお願いして、気になる部分を施工せずに進めてもらった結果、インターホンは外部ボックスまで配線してカメラ部は手渡し。ポスト・表札はなし。という形で引き渡してもらいました。

私の住む地域は、冬はそれなりに寒いので、玄関までのアプローチを含めた雨除けや風よけと一緒に、ポストやインターフォン、表札を考えていましたが、住んで一年目で大きな雪庇が玄関前に落下しておどろいたのと、裏のエコキュートのタンクが雪庇の落下の衝撃で破損してしまいました。その結果、玄関まわりに雨除けは雪庇落下に耐えうるものが必要になり、現実不可能だと判断。ならば、家に不足したままの表札まわりをどこかに設置する必要が出てきたわけです。

そしてエクステリアショップに頼むでもなく、DIYしようと思ったのは市販の機能門柱(セット品)が高価な事でした。一度設置すれば数十年そのままのことが多くて、量産効果が低くなるのは仕方がないですが、ちょっとした柱にポストとインターフォン、表札が付いて工賃込みで10万円からという感じで、カッコよくなるにつれ20万、30万と値が張って、おいそれと飛びつける価格ではありません。市販品のデザインや、施工方法を取説などを見ながら悩む日々…。

結果、DIYして自分好みの機能門柱が出来たわけですが、計画の始まりからすると結構時間がかかりました。これまで仮設で設置していたものは、丸太に最安ポストを付けたもの(上の写真の赤いポスト)、その上方にインターホンを線をむき出しで取り付けたものなので、格好が悪いまま数年が過ぎていました。

これは、施工に時間がかかったわけでなく、計画の段階で、設置場所、デザイン・材料など苦慮した結果、長期間停滞した結果です。実際の素材購入から完成までは、週末を使っての3週間ほど(それもコンクリートの硬化時間が大半)なので、手ごろなDIYだと思います。この記事では、計画・検討から設計・施工・完成までを詳しく説明しています。この記事を見て、自分でもできそうなイメージを固めてみてはいかがでしょうか。。。

まずは設置場所の検討

人工木を使って機能門柱をDIY 設置場所の例を示した写真
設置場所はおおきな悩みどころです

設置場所は重要な要素で、設置場所によって大きさが決まるだけでなく、配線のために必要な施工なども大きく変わってきます。また、作ってみたけど動線が悪くて使いにくい。また、防犯上ここまで人が入ってくるのは失敗だった…なんてことも起こります。いろいろな要素を取捨選択して、落としどころを見つける事になります。

道路近くに設置する場合
良い点
 防犯:容易に不審者を玄関まで誘導することが防げる
悪い点
 利便性:郵便物を部屋着などで取りに行けなくなる可能性
 利便性:パーソナルスペースが最大化できる(遊び場など) 施工性:有線式のインターホン・照明電源などの施工にコスト増
 そのた:郵便・荷物配達の方がうれしい(表札がすぐに目に入る) 施工性:道路側に倒れることが無いよう万全の基礎や施工が義務
 施工性:門扉・フェンスとデザイン性を統一できる そのた:いたずら(ピンポンダッシュ)されるかも
駐車場の奥に設置する場合
良い点
 防犯:他人が玄関先まで容易・安易に侵入されない
悪い点
 防犯:車の横をすり抜けて他人が侵入してくる
玄関近くに設置する場合
良い点
 利便性:部屋着でもポストにアクセスできる(時と場合による)
悪い点
 防犯:玄関近くまで不審者含めて容易に侵入できる環境
 施工性:インターホンなどの配線が家屋と近くなり比較的容易 そのた:デザインが制限される(家全体のイメージに沿わせるため)
玄関にポスト・表札・インターホンを設置
良い点
 利便性:室内で郵便物を受け取れる
悪い点
 防犯:投函口から内部が見えることもある
 利便性:来客時に玄関で雨に掛からず対応できる 防犯:玄関前まで容易に不審者が侵入可能になる
 施工性:家屋の壁に穴を開けたり、貫通させる必要性がある
 そのた:家屋の機密性能が著しく低下する(例:玄関が寒い)

私なりの総合判断は下記の通りです。
 道路近くに設置する場合 →配線(配管)が面倒なのでやりたくない(DIYレベルを越えそうな規模)
 駐車場の奥に設置する場合 →動線を遮る箇所になりがち
 玄関近くに設置する場合 →中途半端だけど一番DIYしやすそう
 玄関にポスト・表札・インターホンを設置 →新築で設置込みでやるべき(検討外)

ちなみに今回機能門柱を設置する場所の候補を上に当てはめて考えてみると下記の通り。

人工木を使って機能門柱をDIY 設置場所の検討図
家に対してどこにあるのが使いやすいかイメージしてみる

最終的な設置場所は、冒頭の写真の通り、玄関近くの右横になりました。ただ、この計画の段階では「駐車場の奥に設置」と「玄関近く」に設置の2通りについて検討を進めることにしました。この理由は、利便性が良好なうえにインターホンの配線が(道路近くに対しては)近くにあるので、現有のコンクリートを割らずに済むためです。

一方で、玄関近くまで、配達に紛れた不審者が堂々と侵入できるリスクはありますが、こういったリスクを最小限にするためには、見通しを遮らない範囲で家屋の外周を囲み、カーポートもゲート付き+門扉付きの玄関アプローチ+カメラ+ホームセキュリティを作らないといけないので数百万円コースとなってしまいます。逆にここまですると悪党に目を付けられるリスクも生まれますが…。

設置場所が仮決定 駐車場左奥か玄関ホール右横の動線を遮らない場所

素材の検討

人工木を使って機能門柱をDIY 素材の検討写真
何で作るかも悩みどころ

仮決定した設置場所共通で言えますが、玄関近くに設置する悪い点として挙げていた、デザインが制限されるという懸念ですが、一般的な理想の門柱は「家屋のミニチュア」をイメージして、同じ壁材の雰囲気、色使い、笠木(屋根)のデザインを採用することです。家の外壁は、メインが石材積層風サイディングのホワイトで、一つ目のアクセントに石材積層風サイディングのグレー、二つ目のアクセントに枕木風のサイディングのダークブラウンになります。

もし、DIYでなくエクステリアショップにデザインをお願いすれば、門扉付きの表面が石材積層の重厚な門柱(ブロック+モルタル)に埋め込みポストと表札+インターホンになりそうですが、今回のDIYでは技量的・コスト的にも重厚な門柱は目指したくありません。まず、リストアップを目的に門柱を作れそうな素材を表にしました。

門柱が作れそうな素材例
コンクリートブロック・レンガ
良い点
 自由なデザインができる
悪い点
 左官の技量次第(左官道具もある程度必要)
 ブロックを心材にして様々な表面素材が使える 倒壊しないように基礎・メッシュ・鉄筋を学ぶ必要あり
 基本ノーメンテナンス(掃除くらい) 工期が長くなりがち
ツーバイ(無垢)材などの木材
良い点
 作り方次第で軽量に作れる
悪い点
 定期メンテナンスしなければ朽ちるのが早まる
 材料が手に入りやすい 配線(インターホンなど)を隠す工夫が必要
 デザインはアイディア次第で選択肢が多い
枕木
良い点
 購入時からビンテージ感がありデザイン性が高い
悪い点
 1本でも重い
 通常木材よりも長持ち 剃り・割れ防止に金属が一部使われている(切断しにくい)
 表面がゴツゴツで鋭利なササクレがある

一般的な門柱と言えば、コンクリートブロックを立ち上げてモルタル造形したものになると思いますが、素人がDIYするテーマとしては結構壮大になってしまいます。どうしても工期が長くなってしまう上、造作物も大きく(重く)なってしまうからです。また枕木は、それ自体が重量物で太さもあるので、切断や穴あけといった一つひとつの加工も結構キツイ作業になってしまいます。いくつか作れそうな素材を挙げたものの、この中で言えば「木材」を選択するしかなさそうです。

木材は、工夫・アイディア次第で様々な形を作り上げることが出来ますし、一つ一つの部品は一番大きくても枕木ほど重くはありません。しかしネックは「朽ちる事」です。屋外で木材を放置すると、スカスカになってボロボロと腐ってしまうので、定期的に表面をコーティング(塗装など)して水分に負けない状態にする必要があります。一度傷めば元には戻らないので定期的にメンテナンスが必要な理由です。

屋外で木材を永く使うには定期的なメンテナンスが必要

人工木を使って機能門柱をDIY 朽ちた木材写真
木材は朽ちるもの

どうしてもメンテナンスは面倒なので、木材の手軽さでメンテナンスフリーの材料はないかと思って見つけたのが「人工木」。木材の粉に樹脂を混ぜて成型したものですが、木材的な風合いに近く腐らないので「メンテナンスフリーのウッドデッキ」に使われたりしています。材料はホームセンターやネットショップでも購入できます。

しかし、この材料にも少し問題があって、用途が「ウッドデッキ」や「ルーバーフェンス」に使うことを想定していて、それに使いやすい規格サイズに最適化されているので、断面の寸法が門柱作りには適さないこと。また、切断面は「木材っぽさ」が消えてしまったり、そもそも断面を隠すための蓋が用意されるくらい木材っぽさはありません。切断面が見える部分では「プラスチック」感を出さない設計・デザインが求められます

メンテナンスフリーで木材っぽく使える樹脂製人工木材を使いたい!

  記事内容に則した広告

そのほかホームセンターに行けば、花壇を作る素材として、レンガのような装飾がされたコンクリート製の型材も売っていたりするので組み合わせればデザイン性の高い門柱が出来そうな気もします。ただ、先に書いた通りモルタル造形との組み合わせになるので、壮大な事業になるので採用しませんでした。

  記事内容に則した広告

ポストの選定

機能門柱を設計しようとすると、場所や素材の検討の次にどんなインターホン・ポスト・表札を使うかを、おおよそ決めておかなければなりません。例えばポストなら縦型、壁掛け型、埋め込み型など様々なタイプがあるので、その取り付け仕様に合わせた設計にしないといけませんし、表札に照明が必要なら、電源や玄関内にスイッチが必要になるかもしれません。(←これは電気工事士の資格がいるので業者さんに頼まなくてはなりません。)

今回は、表札は過去に住んでいた家から持ってきたガラス製のプレート表札があるのと、すでにインターホンは仮で取り付けられているので検討は不要、照明のための電源ラインは資格がないのでソーラータイプを探す…残るはポストのみになります。検討途中で宅配ボックスも欲しくなるかもしれませんが…

ポストは設置場所によって仕様が決まることもあるはずです。裏に回りにくい場所なら後ろ出しタイプは採用できませんし、幅が制限されているなら縦型にするのが有利です。動線に近い投函・取り出しに考慮しながら、大きさを考慮するという選定方法が良いでしょう。

今回の設置場所を例にとって検討した内容を紹介すると、下の2か所について検討しました。

人工木を使って機能門柱をDIY 設置場所ごとのポストの仕様検討図
2通りの中で改めて検討

玄関への動線を考慮すると、玄関アプローチ左・玄関右の設置場所では、ともに後ろに回ることはしたくありません。しかも玄関アプローチ左はあまり幅の大きな門柱を建てると動線に対して妨げになる(せき止める)場所なので、幅の狭いスリムな門柱が望まれます。玄関右では、幅の制限は緩いですが、前出しタイプの選択が必須になります。

考慮したらポストの仕様決定しました。
 玄関アプローチ左なら 縦型タイプの横(右サイド)出し仕様のポスト
 玄関右なら 壁掛けタイプの前出し仕様のポスト

この2通りの設置場所で検討した結果のポストがこちらです。縦型横出し(写真は右出しですが、左出しタイプもある)仕様のものと、壁掛け前入れ前出し仕様のものです。

  記事内容に則した広告

次段階の構想設計で作成したCAD図になりますが、それぞれのポストの概形を作成して配置イメージしてみた様子です。

人工木を使って機能門柱をDIY 設置場所ごとのポストのCAD検討図
それぞれの大まかなイメージをまとめる

先に紹介してしまいましたが、この2案を頭の中のイメージとして、3D-CADを使って構想設計に入っていきます。

構想設計

このDIYも3D-CADを使って構想設計を進めました。まず、現状確定次項として「家の概形」「駐車場のサイズ」「玄関アプローチの大きさ」など、設計上関連がありそうで、大きさが決まっているものを形状化します。そして、これも既に使用が決まっている「ガラスプレートの表札」「インターホン」と、たぶんどちらかを使うであろう「縦型ポスト」と「壁掛けポスト」を形状化。

人工木を使って機能門柱をDIY 既存の関連部品を形状化CAD図
ポストなどは非表示ですが、家屋の概形を形状化

使えそうな木材をリサーチ

改めて門柱に使う木材を再調査。先の検討でも懸念事項としていたメンテナンスをできる限りしたくないので、やはり純粋な木材は避けたいため、人工木材をAmazonの他、ハウスメーカー品代理店、メーカー直販など手に入りそうな販売業者をくまなくチェック。

ハウスメーカー系は高額なものが多く手が出せず、メーカー直販も楽天やAmazonに支店があるので、結局は大手通販で見つかるものになってしまいました。まず初めに検討したのが、アイガーデンというブランドの枕木。見た目は枕木ですが、樹脂なので加工が楽で軽量なので良さそうという理由。また、サンセルフというブランドの人工木では、中空材だけでなく無垢材もラインナップされているので木の代用として有力。この2社の入手可能な材料寸法を参考にしながら設計を進めます。

  記事内容に則した広告

3D-CADで形状化してイメージの可視化

駐車場の奥左側では、玄関アプローチのコンクリートがあるのと、そもそも動線に近いので通行を妨げる壁のように威圧感があるのは避けるべきだと感じ、無垢材にポストを挟んだ幅をベースに構想してみました。玄関ホール右側では全て表側でアクセス(前入れ前出しポスト)するので、中空枕木を使って、幅を広めに設定し構想してみたのが下の2つになります。

人工木を使って機能門柱をDIY 設置場所ごとのポストのCAD構想図
幅を狭く設計(左)した門柱と、オモテ面を幅広く(右)使った門柱の構想

この二つの素案を、第三者的な視点で再評価してみました。言葉にして書き出してみると、良し悪しがはっきりしてきます。

自分で講評
駐車場の奥左側
〇良い点
 郵便物の投函と取り出しが別方向からのアクセス
×悪い点
 縦型の郵便受けが使いにくいとレビューが多い
 スリム 安い価格帯の市販の機能門柱的な質感(でも無垢人工木は高い)
 インターホンカメラが駐車場全体をカバーできる インターホンのケーブルの処理が未定
 家のインターホンのケーブルボックスから12mくらいある
 下水配管に近いのでコンクリート基礎との関係注意
玄関ホール右側
〇良い点
 デザイン性の工夫ができそう
×悪い点
 水道管に近いのでコンクリ基礎との関係注意
 家のインターホンケーブルボックスから5mほど 玄関への目線の妨げになる(隠れ場所になり得る)
 中空の枕木なので配線を中に仕込める(インターホン) インターホンカメラが駐車場の半分しかカバーしない
 駐車場からの動線と玄関への視線の途中に溶け込む感じ
 枕木1本が見た目に太いので重厚感が出せる

ここで紹介しているCADの絵は、下記の3D-CADを使って描画しています。簡単に使えるので習得すればDIYの強力なアイテムになります。この3D-CADを使ったからこそできたロフトベッドの記事もあります。

採用したのは?

先の2通りの構想を経て、「玄関ホール右側に人工木枕木を使って設置」する構想を進めることにしました。いろいろと良い点・悪い点を挙げていましたが、「結構高価な無垢人工木を使って幅セマな低価格風機能門柱」を作るより、「低価格な中空人工木枕木を大胆に使って高見えする機能門柱」を目指すという判断をした結果です。

場所と素材確定 低価格な中空人工木枕木を大胆に使って高見えする機能門柱を玄関右に作る

人工木を使って機能門柱をDIY 設置場所の決定結果図
イメージを目に見える形にすると詳細に詰められる

詳細設計

詳細設計は、組み立て方法やデザインを詰める作業になりますが、今回のテーマの機能門柱では、「決まり事」をあらかじめまとめておけば、あまり悩むことなく設計が進みます。「決まり事」とは、すでに使うことを決めている素材のサイズや一般的に指定されている推奨値(ポストやインターホンの高さなど)、メーカー推奨の施工方法などを指します。

今回のテーマ「機能門柱」作成時の決まり事
 ポストは決定済み(取付方法・寸法は商品ページに記載確認済み)で、地上高1000mm近辺を狙う
 インターホンは既存(取付方法は商品取説に記載確認済み)を使い、地上高1400mm近辺を狙う
 表札は現有部材(寸法は現物確認済み)を使い、地上高1600mm近辺を狙う
 途中にコンクリート基礎で固定する、その際300mm程度の埋め込み深さを狙う
 人工木枕木の断面サイズは、200x80mm長さは2100までラインナップ

ここまで決まっていれば、あまり設計するところがないくらい、ほぼ決まり事で縛られるため、そのつじつまを合わせる感じでの設計になります。

人工木を使って機能門柱をDIY 設置場所ごとのポストのCAD設計図

上の図が、詳細設計を進めた設計図になります。縦長なので、横倒した絵で、赤線より左側が土中に埋設される側です。右端には上から見た絵を描いています。

同じ人工木枕木の素材を3本配置(広い面1本と狭い面を2本を正面)して、変化を持たせるため高さを変えてみたり、隙間の寸法を変えてみたりしています。また、中央は見通しを良くする目的で短くして玄関の目隠しにならない工夫をしました。3本の柱をポスト裏(正面からは隠れる)で接続し、正面からはスッキリした見た目にしています。接続する部材は、柱と同じ樹脂枕木をスライスしたものを使います。

こだわり箇所っていうのはありませんが、高さの変化や間隔の変化量を「黄金比」や「白銀比」を意識して設定しています。

組立て検討

詳細設計中に、ある程度組み立てを意識して設計しますが、改めてボルトやビス類を配置して組み立てられるか検討を進めます。一品もの(苦労してでも組み立てられればOK)なので、「組み立てに苦労しても見た目重視」という考えで詳細を詰めます。

基本構造は、3本の柱のうち2本を土中コンクリート固定するので、この2本の柱に対して中央の柱を固定する方法を考える事になります。この時、締結のためのボルトが表面に出てくるのは避けたいので、接続する部材を挟んでボルト固定を想定しました。

人工木を使って機能門柱をDIY 組み立て方法の検討
組み立て方法の検討

今回使用する樹脂製の中空枕木は、樹脂の厚みが5~6mm程度しかありません。厚みが薄いうえに、樹脂なので固さは木材並み、もろさは木材以下程度の強度です。この枕木に直接ビスをねじ込むとき、コーススレッドで呼び径3.8か4.2程度でしっかり締めたらねじボケする感じです。スライスした樹脂枕木を挟み込むのにコーススレッドは向かないので、六角穴付きボルトとナットで締結をすることにしました。ナットを柱の途中に保持するのに苦労しそうですが、一度きりの組み立てなので良いという判断です。このボルトは開き防止として使い、柱とスライスした枕木の接する面にはボンドを塗布して、ボンドの固着力で強度を保つことにします。

3本の柱の上部は上の感じで固定しますが、コンクリートに埋まる柱の下部は左右柱の固定はできていません。コンクリートが固まるまで自由に動けてしまうと、上部の接着+ボルト締結に無理な力が加わって、ねじれ、ゆがみの原因になってしまいます。そのため、コンクリートに埋まる部分に、左右柱を固定するボルトを予定しました。

人工木を使って機能門柱をDIY 組み立て方法の検討2
隠れる場所はスマートでなくても良し

寸切りボルトは、ボルト頭の無い全長にネジが切ってある棒で、長いボルトを買うよりも安価です。しかも全部ネジなので、ナットを自由な位置で固定できます。左右の柱をこれで連結し、柱の間隔を上部と同じにして柱同士を平行に決めたり、ねじれを矯正することが出来るハズです。また、同時にコンクリートでの埋設時には門柱の固着鉄筋として機能するのを期待しました。念のため、こちらもサビにくいステンレス材をセットで使用します。

購入品の検討

詳細設計には、購入品の検討も含まれます。組み立て検討で構想している部材も含めてリストアップ・見積もりしておくと、いざスタートしてから「こんな高かったなら業者に頼んだのに…」なんて結果にはなりません。←見積もりは大事です!

購入品の大きなところでは、ポストに23,000円、樹脂枕木に20,000円、埋設管関連で4,000円、基礎関係で1,500円、締結(接着剤・ビスなど)で4,000円程度と見積もりしました。見積合計525,00円になります。やすっ!って感じではありませんが、皆さんどう感じるでしょうか?

見積もりは 52,500円

 Google AdSense 広告

購入&組立て

いよいよ、部材購入して加工・組立てに入ります。近所のホームセンターや部品屋さんで小物を購入して、ポスト、樹脂枕木を通販で手配。いつも購入品はこんな感じで購入しています。大きくてもそれほど高くないものはホームセンターで購入しますが、おおよそ値が張るものはネット購入して、小物は近所で購入する感じです。

品ぞろえははるかにネット購入が有利で、特にLED照明などはそれこそ星の数ほどありそうです。夜間に表札を照らすための照明として、ソーラー充電タイプのLEDライトを探してネット購入しました。ソーラーLED照明は、若干ギャンブル的な要素があるのは承知の上で買いました…(当たりはずれ、すぐに壊れるとか)。

樹脂枕木の切断

樹脂枕木はアイガーデンのアイウッド枕木という商品を購入しましたが、商品到着後開封して確認後、商品に満足できず返品しました。この枕木は、中空素材で、両端は樹脂製のフタが接着されています。私的の感覚になってしまいますが、このフタの部分の仕上がりが安定していなかったのが返品理由です。商品的には、長さのバリエーションがあって使いやすく、表面の木目調も自然で良かったので残念でした。

人工木を使って機能門柱をDIY 枕木の写真
アイウッド枕木 端部の一例

これに変わる商品を急いで探して次に購入したのが、グッドライフウッドで買えるアイウッドと同じ外寸の樹脂製の枕木。断面外寸は同じですが、長さのバリエーションが無く、1800mmのみの商品です。アイウッドでは2mを越える長さの商品があるので、地面に埋設しても表札門柱に長さが十分でしたが、新しく買った樹脂枕木は長さが足りません。仕方がないので、接着+ねじ止めで継ぎ足し延長して進めることにしました。

  記事内容に則した広告

3本ある枕木は、1800mm全長で使うものが1本、1800mmを延長して使うのが1本、残りの1本を切断して延長分と真ん中の柱、柱の隙間を決めるスライスした枕木として使います。切断時にフタ部分が邪魔になるのでまず外せるフタを分解。3本の樹脂枕木なので、6か所のフタがありますが、無事外せたのは4か所でした。接着なので強固に接着されているものもあれば、少しの衝撃で外せる程度のものもありました。必ずしも外せるものではないので、注意してください。

人工木を使って機能門柱をDIY 樹脂製枕木の端部
スキマにマイナスドライバーを差し込んで分解 接着剤は瞬間背着材的なもの

両端外せることが出来た枕木を設計の長さ通り、切断していきます。

人工木を使って機能門柱をDIY 樹脂製枕木の切断面
丸ノコで切断 中央柱とスキマのパーツと継ぎ足し部品

切り方は、この枕木のサイズは断面200×80ミリなので80mmの厚みは私の所有する丸ノコでは1回で切れません。丸ノコで表裏2回の切断面を完全一致させるのは至難のワザですので、片側から1回刃を入れて、同じ方向からのこぎりで残りを切断するのが良いでしょう。中空材なので切断は楽です。

人工木を使って機能門柱をDIY 樹脂製枕木の切断時のコツ
丸ノコの切断で貫通しないときはノコ

枕木の延長(つぎ足し)

購入した枕木は1800mmの長さなので、土中埋設に30センチ使うと地上には1.5mしか出ません。この長さ(高さ)では、表札が低くなりすぎて使えないため、20センチほど継ぎ足しました。強度的には力の掛からない上端に継ぎ足す方が良いですが、継ぎ足しのカッコ悪い部分が見えないように、土中に埋まる部分に継ぎ足します。継ぎ足した部分が、強固につながっていることが求められます

人工木を使って機能門柱をDIY 樹脂製枕木の延長
中空部の幅にガタなく収まる樹脂板を接着&ねじ止めで延長(右端写真が継ぎ足し完成)

この樹脂枕木は中空構造なので、ここに樹脂の板をガタツキ無い寸法で切断し、樹脂も接着できるボンドを両面塗布してねじ止めしました。挟んだ樹脂板にガタツキが無いので、力を受けても枕木に対してズレることが無くねじ止めだけでも強度がありましたが、念のため接着も施しました。

接着剤は瞬間接着しないタイプで、塗布後も十分時間をかけて作業できるものを使用しました。今回は接着面が広く、最後に一度に合体させないといけないので、瞬間接着剤は不向きの作業になりました。

  記事内容に則した広告

組立て

今回の組み立ては、1回きりということもあって組み立てやすさを度外視して、ネジの頭やナットなどが表面から見えない組み立てをします。順番としては、柱右に柱中を組付け→接着乾燥→柱中に柱左を組付け→接着乾燥の順番になります。

人工木を使って機能門柱をDIY 樹脂製枕木の接着組立て図

実は、上記のボルト締めつけは十分な締め付け強度は得られません。なぜなら、ボルト頭とナット間は中空なので締め付ければ締め付けるほど、樹脂材料がへこみ、陥没(最後には破損)してしまいます。完全な締め付け、固着をさせようとするなら、柱間のスペーサーは無垢材を挟み込むことをお勧めします。

今回、この方法を採用した理由は、右柱・左柱は土中埋め込みコンクリート固めで自立していることを前提に、中柱部分に重量物は取り付けないこと、接着剤を十分塗布して接着することで一体化、柱間が開かないようにボルトをサポート材として使い、ボルトによる強固な締め付け固着は求めない前提で採用しています。ボルト・ナット間は接着剤(ねじ用ではなく、先に紹介したボンドですが…)を塗布します。

人工木を使って機能門柱をDIY 樹脂製枕木の接着組立て写真
スライスした樹脂枕木の接着固定と、脚埋設部分のボルト固定(右写真)

一連の写真ですが、接着剤が実用強度に固まるまで、1面毎に待っての作業なので3日程度かかりました。埋設脚部のボルトが効いているのか、持ち上げてもゆがみが生じず、しっかりした一体感があると感じました。ボンドの耐候性が気になりますが、外れたらまた考えればよいと思っています。

そのほかの組み立て

この門柱には、ポスト、インターホン、表札の他、インターホンの配線部材が付きますが、組み立て時に準備しておくのは表札のスタッドボルトのみで、他は現場設置後に現物合わせで穴あけと取付をします。

設置

次の休日に門柱の設置をしました。20kgのモルタルを2つ購入済みで、子供と一緒に設置に挑みます。

準備物は、水を入れるだけで良いモルタル、いつもは園芸用品が入っている収納ボックスシャベルくらいです。まずは穴掘りから。

人工木を使って機能門柱をDIY 門柱を設置する穴を掘削

写真では20センチほどですが、このあと掘り進めて、地面から30数センチの穴を掘りました。底には砂利(砕石)を入れ、足で踏んだり、石で叩いたりして水平にならします。そこに門柱を運んで立て、高さや向きを再確認します。向きは道路に向けて受ける向きにして、表札・ポストであることをアピールします。

収納ボックスにモルタルを入れて適当に水を入れて練ります。かさ増しと強度アップのつもりで周りの砕石を入れてよく混ぜます。水の量は、モルタルのパッケージに記載されているはずですが、水分が少ないほど硬化後の強度が強くなる傾向です。しかし、水が少ないと流動性が損なわれるので、流し込むことが難しくなります。私は基礎に流し込むような場合は、少し緩めに作り、コテで形にしたい場合は少し硬めに…というように使い分けるようにしています。つまり、水分量はモルタルのパッケージに書かれた量を必ずしも守らなくても良くて、使いやすい状態で調整しても良いということになります。ただし、シャバシャバで水っぽくなりすぎたり、水がモルタルに対して回らないくらい少ないのは論外ですが…

人工木を使って機能門柱をDIY 収納ボックスでコンクリを練る
収納ボックスが便利

水準器で柱の傾きをなくします。しかし、最終、水準器よりも家屋の壁との平行の方を重視しましょう。

角度のズレの目視は、壁など比べるものがあると敏感になり、少しのズレも気になってしまいます

位置が決まれば、傾きを調整してコンクリートを流し込みます。傾きを調整するのに、伸縮式の物干し竿が重宝しました。任意の位置で長さが変えられるので、柱の傾きの微調整をして保持するのにちょうどよかったです。

人工木を使って機能門柱をDIY 門柱を設置してコンクリートで固める写真

1日経ってから軽く土を乗せて、日陰でゆっくり硬化させました。1週間ほど経過してから周りの土を押し固めて、何度か水をかけておきます。何度か繰り返すと、文字通り「雨降って地固まる」感じでしっかりした基礎になりました。

ちなみにこの門柱は、一人で担げるくらいの重量でした。両手で抱える感じで持ち上がりましたが、無垢の枕木1本分に満たない重量なので、この点は中空の樹脂枕木の利点だと思います。仮に、基礎が弱くて門柱が転倒したとしてもケガにもならない安心感もあります。

インターホン設置: 線の埋設と接続

3メートルほど離れた屋外ボックスから、インターホンの線を埋設配管します。埋設パイプは、PF管を使いました。インターホンは1本の線ですが、今後、電源線が通せるように2本のPF管をあらかじめ敷設しておきます。

屋外ボックスにPF管を接続して壁際に埋設

人工木を使って機能門柱をDIY インターホンの線の埋設と接続

PF管は、PF16を使いました。細めですがインターホンの線には十分です。ちなみにインターホンの線と、将来電源が必要になったとして、インターホンの線と同じPF管内に電源線は通せません。そのため、あらかじめ2本のPF管を埋設しました。空のPF管には、ビニールひもを4~5本束ねて通しておきました。これは、通したい時にビニールひもで引っ張って通すことを想定しています。

門柱内への引き込み

途中へのPF管の埋設は壁伝いに行い、門柱まで配管します。門柱内は中空のため、門柱の下部までPF配管すれば引き込むことが出来ます中空の人工枕木ならではの利点です。無垢材で同じことをするには溝を掘ってフタをするなど、面倒な作業が必要になります。門柱への引き込みには、パナソニックの防雨入線カバーを使いました。本来、家屋の壁面に使うものですが、色合いが似てるのと見た目がすっきりしているので採用しました。

人工木を使って機能門柱をDIY インターホンの線の引き込み
中空なので簡単に穴を開けることが出来、空間を配線に使えました

  記事内容に則した広告

インターホンの接続

PF管の引き込みが出来ればほとんど完成です。インターホンの土台の位置決めをして、ネジの下穴と線の通る穴を開けます。ねじの下穴は、木材なら必要ないこともありますが、この樹脂は圧力でぽろぽろと欠ける素材(例えば圧縮すると縮まずに割れる)のため、余り素材で何度か下穴径と締め込みのテストをして決めました。

手順として最初に大事なのがインターホンの電源を落とすことです。一番簡単なのはブレーカーを落とすことです。電源を落とさないでの作業は機器を壊すので絶対にしないように…。また、家屋からの配線と新しい埋設配線を接続するのは、線を触れさせる(指でネジるなど)だけではダメで、端子台を使ったり、カシメを行ったりして確実に接続しましょう。接続できれば電源を入れ、カメラの映り具合を室内側で見てもらいながら調整して完了です。

人工木を使って機能門柱をDIY インターホンの接続

ポスト、表札の取付など

ポスト・表札はネジ締めだけなので省きます。説明書通りに作業しましょう。今回、PF管を2本埋設した理由は、表札を照らすための照明の電源が必要になる可能性があったのであらかじめ敷設しました。冒頭に触れたとおり、失敗覚悟でソーラーLED照明を購入したので、その結果を報告。

  記事内容に則した広告

購入したのは上記の屋外でも使えるソーラーLED照明です。すぐに壊れるかも知れないので4個セットで購入しました。白色(ホワイト)光を使う目的で購入しましたが、商品説明では解りづらいですが、カラフルに色が変わる照らし方もできます。ただ、赤にしたい!青にしたい!と色が選べるわけではなくて、次々色が変わっていく仕様でした。つまり3ポジションのスイッチがあって、OFF、ホワイト、カラーの選択が出来ます。

1台当たり1000円ほどのライトですが見た感じ高級感があり耐久性が良ければ良い買い物な気がします。肝心のガラス製の表札を照らした様子は、文字が浮き出るような輝きになって、視認性が良くなり満足度がかなり向上しました。ガラス表札右下の葉っぱの模様が、ライトによってくっきりと浮かび上がっています。まだ2週間ほどで何度か雨に降られましたが健在です。

人工木を使って機能門柱をDIY 表札の照明にソーラーLEDライトを使う
日中も邪魔にならないデザインで、夜間は十分な明るさと表札の視認性UP

なお、この方向で取り付けると上面がソーラーパネルになりますが、雨が降ると水が溜まってしまします。そのため、ほんの少しだけ前かがみで取り付けています。付属のアルミ製の金具に曲げを追加して、角度が付くようにしました。完全には排水されませんが、防水を信じてこの状態で様子を見ます。

人工木を使って機能門柱をDIY 表札の照明にソーラーLEDライトの取付け
少し前かがみで取り付け

完成写真

実は100%完成はしていないのですが、とりあえず大掛かりなものは終わったので紹介します。

人工木を使って機能門柱をDIY 完成写真1
ポストは白で壁の色と合わせました
人工木を使って機能門柱をDIY 完成写真2
門柱の色は玄関扉や壁のアクセントカラーと同じ
人工木を使って機能門柱をDIY 完成写真3
木目調はさりげない風合い
人工木を使って機能門柱をDIY 完成写真4
夜間も自動点灯で視認性良

最後に

作りたいなーと思ってから数年がかりでようやく完成した機能門柱ですが、満足の仕上がりになったと思っています。まぁまぁ高見えする作りにもなったと自画自賛してしまいますが、そのコストは見積もりとそう大きく変わらず、合計54,395円となりました

家族の評判も良くて一安心といったところです。。。←これはやっぱり大事です。

少し残った樹脂製の枕木ですが、残り物を使って「立水栓」をつくりました。埋め込み散水栓は、ふたを開けると虫がいたり、清潔感に欠けますが少し立ち上げて、立水栓にすると使い勝手、清潔感が向上して良いことづくめです。

この記事へのコメント

コメントする

Google AdSense広告

  • URLをコピーしました!
この記事のもくじ